英語が得意!英語が大好き!だから何か英語の資格を取って仕事に活かしたい!
あなたはそう思っていませんか?
色々な英語の資格を調べた方、通訳案内士という資格に行きついたのではないでしょうか?
通訳案内士試験は日本で唯一の英語の国家試験です。
でも、その資格を持っていたら何が出来るの?どんなお仕事をするの?
ここでは、通訳案内士(ガイド)を詳しく説明していきます。
通訳と通訳ガイドの違いって?通訳ガイドって何をするお仕事?
通訳案内士は別名通訳ガイドとも呼ばれます。
この2つの名前は全く一緒の意味。
では、通訳と通訳案内士の違いはなんでしょうか。
通訳とはこんなお仕事
👉通訳は母国語と外国語で話された内容を訳すお仕事です。
<絵で表すとこんな感じ>
通訳者は①聞いた英語を②日本語で伝え③その返答を日本語で聞き④英語で伝える。
と、まぁ伝言ゲームのようなもので、聞いた言葉を 途中で英語⇔日本語に直して相手に正確に伝えるお仕事です。
※国際会議の中継などは①と②の流れになります。
話の内容を自分の意思で勝手に変えてはいけません。
つまり、話をする主体ではなく影の存在となります。
その際に必要なのは ①外国語力(この例だと英語力) ②日本語力 となります。
当然両言語で同じ意味となるようあらゆる言葉を知っておかないといけないので、 通訳する分野によってはかなり高い専門用語の語彙力が求められます。
通訳ガイドとはこんなお仕事
👉通訳ガイドはお客様の旅行のお手伝いをし、かつ、お客様の母国語で観光案内をするお仕事です
<絵で表すとこんな感じ>
お客様と通訳ガイドの間においては日本語は出てきません。
通訳ガイドは自身の言葉でお客様に説明をし、お客様からの質問に自身の言葉で返事します。
つまり、話をする主体となるのです。
さらに、通訳ガイドの仕事はお客様との会話だけではありません。
通訳ガイドのガイドの部分が加わります。
もちろん、観光地の案内をすることがガイド業のメインですが、 それ以上に求められるのがお客様の旅をより良くするためのマネージメント力です。
それは、観光・宿泊・食事施設とのやり取りだったり、ドライバーとの打ち合わせだったり、行程管理だったり、いわゆる添乗員としての業務も少なからず求められます。
※本当は添乗員は別にいて、ガイドさえすれば良いのが理想ですが、 現状そうも言っていられないようです。
そのため、通訳ガイドに必要なのは、 ①外国語力(この例だと英語) ②ガイド力(観光地を案内出来ないと!) ③マネージメント力 ④ホスピタリティ となります。
もちろん、色んな施設の方とのやり取りに日本語を話す必要はありますし、 外国語も専門用語という意味では通訳よりは少しレベルが下がるかも?
しかし、その分、別の知識や力が要りますね。
通訳ガイドになるためには?まずは試験に受からないと始まらない
さて、では、通訳ガイドを目指してみようかな、となったところで。
まず一番初めに考えなくてはいけないのは、とにもかくにも試験に合格することです。
観光案内は通訳案内士試験に受からないと出来ない?
実は今は通訳案内士試験に受からなくても、外国語でのガイドは出来ます。
2018年1月3日までは、通訳案内士の資格がないと外国人向けのガイドは出来ませんでした。
しかし、1月4日からは無資格でも、誰でも、外国語を話せる人が、有償での観光ガイドを行うことが出来るようになったのです。
これは(当時)2020年度にオリンピックを控えておりインバウンド観光客を増やしたい政府が、通訳ガイドの数が追いつかないことに対して取った策です。
爆発的な外国人観光客の増加に対し、通訳ガイド数が全然足りていませんね。
それに加えて他にも問題がありました。
①試験合格者は英語の合格者が多く、訪日観光外国人の3/4以上を占める アジア圏の言語の受験者/合格者数が圧倒的に少ない
②せっかく試験に合格しても、実際に通訳ガイドとしている活躍している人数が少ない
そのため無資格でもガイドは出来るようになったのです。
安心してツアーを任すならやっぱり資格を持っているガイド
とは言うものの、もし皆さんが海外に行ってガイドを誰かに頼むなら 無資格と有資格ガイド、どちらに頼みたいですか?
通訳案内士の試験は日本政府観光局が行っているものでれっきとした国家試験!
有資格者は国に認められたガイドということになります。
☆今年から通訳案内士のみが着用出来るバッジが出来ました☆
ツアーを作成する旅行会社の担当者もお客様に満足してもらえるツアーを作成したいなら 当然有資格ガイドに仕事を任せたいですよね。
無資格でガイドが出来ることになっても、やはり通訳ガイドの資格は ガイドの仕事をする上であった方が断然有利であることは言うまでもありません。
通訳案内士試験とはどのようなもの
通訳案内士の試験は年に1回行われます。 2020年度の試験予定を次に示します。
※コロナの影響で日程は変更になる場合があります。
通訳ガイドの試験科目は6つです
【筆記試験】外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、そして通訳案内の実務の 5つです。
【口述試験】外国語 ※外国語は英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・タイ語の10言語あります。
※各試験、免除になる場合もあるので詳しくは2020年度施行要領(PDF)を参照してください。
通訳ガイドの試験対策について
通訳ガイドの試験は語学の試験ではなく、ガイドの試験だということをまずは理解しておきましょう。
例えば、どんなに英語が流暢でも英語の通訳ガイドの試験に受かるわけではありません。
特に近年、観光関係の質問がどの項目でも聞かれるようになりました。
筆記試験も5つの項目に分かれていますが、時に別の項目が出ることがあります (外国語の試験の中に地理、歴史の試験の中に地理など)
通訳ガイドの試験対策を行う場合はまずは近年の過去問を解いてみましょう。
※2018年から試験内容が大きく変わりましたので、まずは2018年と2019年の過去問を解くことをおすすめします。 試験対策に関してはこちらの記事を参照ください。
通訳ガイド2次試験対策!2018年以降の新しい形式に対応しよう!通訳ガイド試験対策~日本史を攻略する3つの方法~
通訳ガイドの仕事も報酬も序々にレベルアップしていきます
資格を取っていざ通訳ガイドデビュー!となったところで 実際どのくらいのお仕事があって、どのくらい稼げるかは気になるところですね。
実際のところ、明確な目安はなく経験、働き方、仕事内容によって随分差が出てきます。
平均して1日のお給料はどのくらい?
空港からホテルの送迎(3~5時間) | 5,000円~10,000円程度 |
半日ツアー | 10,000円程度 |
1日ツアー | 10,000円~20,000円程度 |
宿泊ツアー | 15,000円~30,000円程度(/日) |
かなりざっくりとですが、大体これくらいではないでしょうか。
経験やツアー内容によってもかなり差が出てきますが、月に1、2本 フルツアー(8~10日くらい)に出れば相当稼ぐ事も夢ではありません。
平均して1年のお給料はどのくらい?
少し古い情報ですが平成26年に国土交通省観光庁が発表した通訳案内士の就業実態等から 通訳ガイドの年収がどのくらいかを抜粋しました。
0円 | 2.9% |
1~9万円 | 13.2% |
10~99万円 | 30.1% |
100~199万円 | 11.3% |
200~299万円 | 7.2% |
300~399万円 | 4.7% |
400万円以上 | 4.0% |
無回答 | 26.6% |
これだけ見るとまともに稼いでいるのはほんの数パーセント!と思ってしまいますね。 しかし、通訳ガイドを専業でされている方もまたほんの少しなので決して給料単価が低いわけではないのです。
どのくらいの経験を積めば1人前として認められる?
通訳ガイドの方でどこかの会社に属して働いている方はごく稀で 、基本的にはフリーランスの方が多いです。
そのため、雇用形態は働く企業と直雇用。
中間マージンを取られないので良いですが、 その分仕事は自分で探してこないといけません。
もちろん雇う側も通訳ガイドの資格を持っているからと言って、すぐに雇ってくれるわけではありません。
まず通訳ガイドとしての経験を聞かれます。
資格を取ったばかりなのに経験なんてあるはずないでしょ?!
そう、そこが難しいところなのです。
企業側が研修を丁寧に行ってくれる・・・ということはまずありません。
試験に受かったところで何をどう始めたら良いのか分からないことだらけですね。
まずは新人研修に参加しよう
大抵の方は試験に合格されると、いくつかある通訳案内士団体の新人研修を受けられます。 代表的な通訳案内士団体をあげておきます。
- 新日本通訳案内士協会/NPO日本文化体験交流塾(IJCEE)
- 協同組合 全日本通訳案内士連盟(JFG)
- 一般社団法人 日本観光通訳協会(JGA)
- NPO法人GICSS研究会
- Japan Wonder Guide
新人研修は大体が3~5日間で、ほぼ関西もしくは関東で行われています。
座学および実地研修があり、実際に京都や箱根といった代表的な観光地を訪れて 勉強することが多いようです。
旅行会社の担当者との交流会に参加しよう
研修が終わったからと言ってすぐに仕事が始められるわけではありません。
ツアーを作成する旅行会社の担当者と顔合わせをする機会などがあるので そのような集まりには積極的に顔を出しましょう。
予め自分の名刺を作っておくと便利です。
最初の仕事の依頼が来るまでに出来ること
繁忙期にでもならいとなかなか仕事の受注がきません。
その間に経験を積むために出来ることがあればしておきましょう。
お勧めは ・ボランティアガイドをしてみる ・添乗会社に登録して添乗員の資格を取る (詳しくはこちらの記事をご覧ください)
こういったことも経験として履歴書・職務経歴書に書くことが出来ます。
どんな仕事から始まるの
最初に依頼される仕事で、代表的なのがホテルと空港の送迎業務です。
時間にして2~5時間。半日くらいの仕事です。
お客様よりもグループの代表者とのやり取りが多いですが、外国人観光客に 慣れるいくにはとても良いお仕事です。
少しずつ慣れてくると半日観光ツアー、そして1日バスツアーと経験がアップしていきます。
団体バスツアーよりも個人客を相手にするFITの方が個人の要望に応えないといけないので 更に難易度は高いかもしれません。
1日のツアーをしっかりと任されるようになると、いよいよ宿泊込みの仕事などが増えてきます。
次の仕事をもらえるには
すでに書きましたが、基本的にはガイドとクライアント(旅行団体や旅行会社など)は直契約です。
仕事内容が良ければまた次の仕事を紹介してもらえますし、序々に難しい仕事もアサインしてもらえるようになります。
お客様に満足していただき、良い関係を作ると共に担当者とも良い関係を作ることが大切ですね。
人気が出てくると指名でのお仕事ももらえるようになります。
仕事をする量によっても違いはありますが、フルタイムで仕事をする場合 1~3年が新人、4~6年が中堅、7年以上がベテランという具合でしょうか
まとめ:いつかは素敵な通訳ガイド
通訳ガイドのお仕事について、いかがでしたでしょうか。
ここでは、通訳と通訳ガイドの違い、通訳ガイドの仕事とは、について説明をしました。
通訳ガイドのお仕事は資格を取るまでも取った後も勉強することが多く 大変なお仕事ですが、お客様と直接触れ合う仕事ですので旅が無事に楽しく終わり お客様から感謝された時、その感動はひとしおです。
また、お仕事を通じて日本中たくさんの素敵な観光地を訪れる事が出来るのも 魅力の1つですね。
定年退職をされてから第2の人生として通訳ガイドの仕事を選ばれる方も 多いようです。
ひとつの選択肢として通訳ガイドのお仕事を考えてみてはいかがでしょうか。
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