
シルビー
お客様にお得にショッピングする方法を聞かれたけれどどうしたら良い?免税手続きは複雑でややこしいのかしら?

ペッチー
うん、じゃあ今回は日本の免税制度について説明するよ。
初めて、通訳ガイドとして現場に出る前には免税手続きをどうしたらよいか、と悩んだりしていませんか?
通訳ガイドなら必ずと言ってよいほど、ツアーの途中で
お土産などのお店を紹介する機会が出てきます。
紹介したは良いものの、きちんと買い物の仕方の案内が出来ないと、
お客様からの信頼もなくしてしまいますね。
私自身、海外の添乗に行った時、その国の免税システムが分からず
お客様にきちんとお伝え出来なくて困ったことが幾度となくありました。
せっかく、素晴らしいガイディングでお客様と良い関係が築けていたのに、
免税の方法をきちんと伝えられなくて、不信感を持ってしまわれたら非常に残念!
ここでは、日本における免税システムとその利用方法をおつたえしていきます。
ちなみに、2020年4月より、今までアナログだった免税手続きが
デジタル化されました。
コロナの影響でまだ実際に使われた事はほとんどないと思いますが、
今後に備えてしっかり理解しておけば、突然尋ねられても
焦ることなく、きちんと案内できて安心ですよ。
訪日観光外国人はどれだけ免税されるの?まずは免税システムを知ろう!
普通に買い物をしたら、日本では消費税が10%掛かりますね。
(飲料食品等、軽減税率対象品は8%)
免税システムを利用すれば、その10%(8%)全額が免税されます!!
30,000円のバックだと3,000円の税金を通常払わないといけないので、
3,000円分お安く買えると思うとお得ですね!!
しかし、なんでもかんでも訪日外国人が日本で物を買えば
免税されるかというとそうではありません。
色々な条件がありますので、ひとつずつみていきましょう。
免税をしてくれるのは免税店のみです
外国人観光客だからと言って、普通のスーパーに行って買い物をして、
「免税してください!」、と言ってもそれは無理な話です。
免税書類の作成は、税務署に申請をして登録の許可を受けた
「免税店」でのみ行ってもらうことが出来ます。
ちなみに、免税店と言っても2種類あるので気をつけましょう!
- Duty Free Shop・・・消費税だけではなく関税・酒税・たばこ税も免税
- Tax Free Shop・・・消費税のみ免税
Duty Free Shopは基本的には空港内のみ(沖縄と銀座は街中にもあり)に
設定されており、空港型免税店とも言われています。
一方、Tax Free Shopは市中免税店とも言い、訪日観光外国人が多く訪れる街では
多くの店舗が免税店の登録をしています。
店の扉やカウンター貼られた、赤と白の桜マークの横に「Japan Tax-free shop」
と書かれたロゴを見たことがあるのではないでしょうか。
今では、日本中に52,000以上の店舗がTax Free Shop
として登録しています(2019年10月現在)
誰が免税してもらえるの?日本人だとダメ?
外国のパスポートを持っていれば、誰でも免税してもらえるのでしょうか。
実はそういう訳ではありません。
免税の対象者となるにも条件があります。
基本的には日本に住んでいない人(非移住者)の方が対象です。
- 日本に入国してから6カ月未満の外国人(ただし、日本で就業中の人はダメ)
- 外国政府または国際機関の公務を帯びる外国人
- 買い物をした本人
上記の条件を証明するため、気をつけないといけないことが1つあります。
日本に入国した日がパスポートに記載されてないと、入国日が分かりません。
そのため、自動化ゲートを通った場合は証員をもらっておく必要があります。
ちなみに、日本国籍を保有していても、2年以上海外に居住してる場合は
免税対象となります(日本滞在期間が6ヶ月未満に限り)
1日に1店舗で買い物する消費額に最低金額が設置されています
では、免税の資格があって、Tax Free Shopであれば、
ちょっとしたお土産を買っただけでも免税してもらえるのでしょうか。
実は、最低支払い額が決められており、その金額を超えないと
免税はしてもらえません。
それも、1つずつの店舗で同日中に行った買い物が対象となります。
(ショッピングセンターなどの複合施設の場合は合算が可能です)
免税対象額:1日1店舗あたりの合計購入額が税別5,000円以上50万円まで
※1点で50万円を超える品物は免税販売できません。
さて、ここで、商品の内容についても注意しなくてはいけない事があります。
商品には、
- 一般物品(家電製品、カバン・靴、洋服・着物、時計・宝飾品、民芸品等)
- 消耗品 (食品、果物、飲料、化粧品、医薬品)
の2つがあります。
免税してもらうためには、「買ったものを国外で使う」という条件があります。
そのため、消耗品は消耗品専用袋に入れて渡されます(消耗品専門袋の例)
この袋は帰国するまで開けてはいけません。
一般物品は開けて使っても構わないですが、
当然、帰国する際には本人が一緒に持って帰らないといけません。
もし、一般物品と消耗品をまとめて買った場合は
一般物品も含めるすべての商品が消耗品専用袋に入れられます。
免税システムについて書かれた資料を用意しておこう
日本の免税のシステムについて、分かったでしょうか。
お客様から尋ねられた時に、さらに詳しく説明できるように
イラスト付きの各言語の案内など用意しておくと良いでしょう。
以下、参考にしたい資料を書いておきます。
英語での免税案内はこちら→ Japan’s Tax Exemption (JNTO)
~買い物から手続きまで~ 免税の流れ
免税のシステムが分かったところで、次はお客様に免税手続きの
流れを説明しましょう。
※2020年4月から免税販売の手続きが電子化されることになりました。
ただし、2021年9月までは経過措置として従来の書面手続きも可能です。
ここでは、新しい電子化手続きについて書いていきます。
とある免税店に行って、5,000円以上の買い物をお客様がされるとします。
予め、どのような流れなのか説明をしておいてあげましょう。
免税カウンターにて行われること
商品を持って免税カウンターへ行き、手続きをします。
この時、必ず購入者本人が手続きを行わなくてはいけません。
また、必ずパスポートの提示が必要となります。
次に、店員からの説明があります。
説明されるのは次の3つのことです。
- 免税する商品は自国に持って帰って使うものかどうかの確認
- 出国する際には税務署長(税関等)にパスポートを提示しなくてはいけないこと
- 出国する際に購入品を持っていないと、免税された金額を徴収されること
※以前は、購入者誓約書を書かされ、購入者記録票をパスポートに
貼られていましたが、電子化によりこの手続きはなくなりました。
空港での購入記録票の提出も不要です。
その後、精算して商品が渡されます。
空港にて行われること
帰国の際に、空港の税関でパスポートを見せます。
お店から、国税庁に購入記録情報は届けられていますので、
税関の係員は購入記録の一覧をパソコンで確認します。
基本的には、免税品は税関の係員に見せないといけないことになっています。
税関カウンターはセキュリティチェックと手荷物検査を通過した先にあるので、
免税品は受託手荷物として預けず、手荷物として機内に持ち込みましょう。
※ただし、液体物に限り、受託手荷物でチェックインの際に預けましょう。
まとめ:免税手続きが楽になったので更なる消費も見込まれる?!
いかがでしたでしょうか。
随分と手続きが楽になったおかげで、お客様も買い物がしやすくなるでしょうね。
まだ、お店によってはデジタル方式を取り入れていないところもあるので、
その点は注意して、ここしばらくはお客様に
伝えておかなくてはいけないかもしれませんね。
今はコロナの影響で、インバウンド事業は全然ダメですが、
いずれまた、多くの外国人のお客様が訪れる日がくるでしょう。
できるだけ多くの日本の素晴らしい商品を買ってもらい、
喜んでもらうためにも免税の知識はしっかり持っておきましょう!
さらに詳しくは観光庁のマニュアルをご参考ください。
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