日本特有の習慣やマナーって?外国人旅行客が日本で気をつけたい12の事柄 - ぱんだららの旅と節約と通訳ガイドを目指すブログ

日本特有の習慣やマナーって?外国人旅行客が日本で気をつけたい12の事柄

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「日本のマナーや習慣って、外国とはどう違うんだろう」

「マナー違反の外国人が多いと言われるけれど、マナーを守ってもらうために、お客様に何を伝えれば良いかな」

あなたは、訪日外国人のお客様を案内する上で、こんな風に悩んでいませんか?

確かに、訪日外国人の数が増加すると同時に、マナーを守れない人が多いと問題になってきています。

しかし、その日本のマナーや習慣、そもそも世界共通のマナーなのでしょうか。もしかしたら、日本独特のもので、訪日外国人の方は知らなかっただけかもしれません。

マナーは、その国の習慣と文化であると私は思っています。
海外旅行をする際には、習慣や文化を知るのと同じように、マナーも一緒に習いたいですね。
そして、それを教えてあげるのも通訳ガイドの役目なのかもしれません。

私自身、海外の国へ初めて旅した時は、その国の習慣、文化に戸惑うと共に、マナーも知らずに困ったことがありました。そのため、添乗員になってからは、出来るだけ旅の始めに、その国のマナーを、お客様にお伝えするようにしました。

例えば、アメリカのレストランに行けば、金額の約10~20%をチップとして置いてくるのがマナーです。サービス料なんだから、サービスが悪かったから渡さない、というのはダメです。

アメリカのウエイターやウエイトレスは、ベースの給料がほとんどなく、チップが稼ぎの大部分となりますので、チップを置いていかない客などマナー違反もいいところ、ありえない!!ってなってしまいます。

でも、初めてアメリカに行った日本人で本当に知らなかったのなら、「ごめんね、知らなかったの」くらいの感覚でしかないかもしれませんね。

旅を楽しく過ごすためには、できるだけ無駄な衝突は避けたいですし、気持ちよく過ごしたいものです。はるばる海外から日本に来られたお客様に、楽しく過ごしていただくためにも、予め日本のマナーを伝えておくのは大切なことだと思います。

ここでは、知っておくべき日本のマナーをまとめておきます。
なるべく、旅の早い段階で教えてあげてくださいね。

外国人に教えたい日本の食事のマナー

日本人の私でも、日本の食事のマナーは正直難しいです。ビジネスレベルになれば、もっと厳しいかもしれませんが、観光客の方に少なくとも知っておいて欲しいことを書いておきます。

食事の前と後に挨拶するのは日本のマナーです

英語や別の言語に訳そうと思って、難しいと思うのが、この2つの言葉です。

「いただきます」「ごちそうさま」

日本人なら、もう無意識で言ってしまっているかもしれませんね。
小さな子供の時から、家庭でも学校でも教えられてきたことです。
食事の前と後には、きちんと挨拶しましょうね、と。

外国でも、食事の前のお祈りをする国はありますが、日本の「いただきます」と「ごちそうさま」とはちょっと違う気がします。

元々、「いただきます」は神道からきていて、「あなたの命をいただきます」という意味ではありますが、そう言うと少し怖いので、食事を用意してくれた方全員に感謝の気持ちを表す言葉ですよ、と説明すれば良いかもしれませんね。

「いただきます」と「ごちそうさま」を言う時には、手を合わせるとさらに丁寧だということも加えておきましょう。

お箸の持ち方やお箸マナーのいろいろ

お箸を使いなれていない外国人にとって、いきなりお箸を使いこなすのは至難の業ですから、フォークがないかお店の方に聞くことはマナー違反では全然ありません。

しかし、せっかく日本に来たのだから、お箸を使ってみたいという方には使い方を教えてあげましょう。最初のうちは「グー」で握りしめてしまう方も多いと思うので、実際に見本を見せてあげると良いかもしれないですね。

また、お箸のマナーとして、タブーの使い方がいくつもあります。
外国人がすべてマスターしなくてはいけないことはないですが、お箸の使い方の話の時に、余談として伝えておくと良いでしょう。

  • 刺し箸・・・食べ物に箸を突き刺すこと
  • 移り箸・・・箸をつけたのに別の料理に移ること
  • 拾い箸・・・箸から箸へと料理を渡すこと
  • なぶり箸・・・箸をなめたり、口にくわえたりすること
  • 重ね箸・・・ひとつの料理ばかりを続けてたべること
  • 寄せ箸・・・箸を使って器等を自分のほうに寄せること
  • 渡し箸・・・茶碗などに箸をおくこと。箸置きの上に置くのが正解
  • 迷い箸・・・箸を皿から皿へと悩みながらまわすこと
  • 逆さ箸・・・取り分ける際に、箸を上下逆さにして使うこと

箸に関するタブーの使い方は他にもたくさんあります。日本人でもきちんと出来ているか分かりませんが、刺し箸や拾い箸は特にマナーとして知っておいてもらうと良いですね。

ご飯の茶碗やみそ汁のお椀は手に持って食べるのがマナー

器を手に持って食べない文化の国は多いです。そもそも、外国では大皿に盛る事が多く、日本のように小さな器で色々なものを少しずつ楽しむ、ということが少ないかもしれませんね。

ただし、日本でも、すべての食器を手に持つわけではありません。
ご飯の茶碗やみそ汁のお椀、小鉢などの器が、基本的には手にとって食べるのがマナーとされています。

うどんやラーメンといった大きな器は手に持っては食べませんが、片手を添えると綺麗ですね。

日本では麺類はすすって音を立てて食べても良い

ラーメンをすすって食べる
麺類はすすって食べるのが日本での食べ方

ラーメンにうどん、そば・・・日本では麺類を食べる時はすすって食べますし、ズズっと音を立てて食べるのが普通です。

しかし、これは反対に、外国でするとマナー違反になってしまい嫌がられてしまいます。

音を立てて食べなくてもマナー違反ではありませんし、外国人にとっては実践するのはなかなか難しいと思うので、日本では麺類を音を立てて食べている人を見ても驚かないでね、って伝えておきましょう。

日本の飲み屋さんでは、お通しが出される

マナーというものではないですが、知らずに揉める事が多いのが、このお通しです。

もともとは、注文を受けてから料理が出てくるまでに、お酒と一緒につまめるものをだそうという「おもてなし」の意味があったものだそうですが、外国人からすれば注文もしていないのに勝手に出されて、料金まで請求された!となるようです。

お通しは、席料としてとらえられる事もあるため、基本的には断れないことになっています。
外国人のお客様には、飲み屋では席料が掛かりますが、代わりに前菜が1品無料でついてくるのですよ、といった風に説明すると分かりやすいかもしれませんね。

外国人が気を付けるべき日本の旅館などで過ごす時のマナー

せっかく日本に来たので、ホテルではなく旅館に泊まったり、民泊を利用して日本の暮らしを体験してみたい!という方もいらっしゃるでしょう。

日本の家での過ごし方についても、説明してあげましょう。

日本では家に入る時は靴を脱ぐ

日本では、家に入る時は靴を脱ぐのは、もはや言うまでもなく当たり前の事ですね。
しかし、欧米諸国ではそもそも玄関で靴を脱ぐという習慣がありません。
自分の部屋のベッドの上に上がる時に、靴を脱ぐといったくらいです。

海外のホテルでも、玄関で靴を脱ぐというところはまずありません。日本でも、ホテルでの滞在なら、そのまま靴で部屋まで行ってしまいますね。
そのため、家に入る時は靴を脱がなくてはいけないということを、知らない人もいるかもしれません。民泊や場合によっては旅館を利用する際などには、玄関で靴を脱がなくてはいけないということを教えてあげましょう。

また、日本では、靴を揃えて端に置くのがマナーとされていますが、同じような国はあまりありません。
欧米諸国では、靴を揃えるという習慣もあまりなく、脱いだままということが多いです。

靴を脱いで、中に入るお寺などのツアーも最近は増えてきています。
事前に靴を脱いで上がる時のマナーを伝えておいてあげると良いですね。

日本のお風呂に入る時にマナー

日本に来たら、是非温泉に入ってみたい!という方が多い一方で、人前で裸になるなんて・・・と躊躇される方も多いです。

海外では、大浴場があっても、水着を着て入る習慣のところが多く、裸で入るお風呂は初めてという方も多いです。

温泉に行ったり、旅館に泊まったりするツアーでは、お風呂の入り方も予め伝えておく必要がありますね。

  • 湯船に入る前には、掛かり湯をしましょう
  • タオルを巻いたまま、湯船に入らないように
  • 泳いではいけません
  • 髪が長い場合は、湯船につからないように上の方でまとめましょう
  • 上がる前にはマットで足をよく拭きましょう

また、現在では融通が効くようになってきているところもありますが、基本的にはタトゥーをしている場合は、大浴場には入れない事が多いので、それがどうしてなのか、お客様が不快に思われないように予め説明をしておきましょう。

外国人で町中で気をつけてもらいたいマナー

日本で電車に乗る時はきちんと並びましょう

几帳面な日本人にとって、これもまた当たり前のことなのかもしれません。
電車に限らず、どこかに入場する時は、きちんと並ぶ習慣があります。

しかし、これが全世界の共通習慣だと思ってはいけません。そもそも、電車が時間通りにぴったりくる・・・というわけでもない国もありますからね。

外国人からしたら、日本人はなんと几帳面なんだ!と感心されているのです。
もちろん、列にきちんと並ぶことは悪いことではありませんので、外国人のお客様にも事前に説明しておけば、きちんと並んでくださいます

日本の道路を渡る時は右・左・右をチェック!

子供のころから、道路を渡る時は、右⇒左⇒右をチェックして渡るように!!となんども言われてきましたね。

なんで、右からチェックするの?って今さらですが・・・

それは、車が左側通行となっている日本では、車は絶対に右からしか来ないから!
(※一方通行の道路の場合は違います)

でも、日本以外の国では、車が右側通行のところが多いですよね。だから、左・右・左確認に慣れているのです。言われないと、この習慣はなかなか直せないですね。

余談ですが、外国に行くと、右・左・右確認の方が多く、とても心配になります。海外旅行に行く時は気をつけてくださいね。

日本でのエスカレーターの乗り方

日本では、急ぐ人ためにエスカレーターの片側を空けておくことが、暗黙のマナーとなっています。

ただ、どちら側を空けるか、ということになってくると、関西(大阪・神戸など)とその他の地域では違ってきます。大阪・神戸では右側に立って、左側を空けますが、それ以外の地域では左側に立って、右側を空けるのが一般的です。

世界的に見てみると、右側に立つ国が多く、これは一般的には車の通行側と一致していることが多いそうです。

しかし、元々エスカレーターは歩くことを前提に作られておらず、近年はエスカレーターを歩かず2列で乗るようにという呼びかけがポスターなどでされています。

とは言え、まだまだその取り組みは浸透していないので、訪れる場所によって、前の人に合わせるように伝えておくと良いですね。

日本のお手洗いの使い方のマナー

海外への添乗に出ていた時、必ず案内しなくてはいけないのはお手洗いの利用方法でした。それくらい、お手洗い事情は、各国違うので面白いですね。

日本では、今はウオッシュレットの普及率が高くなったので、とても使いやすくなりました。ハイテクになり過ぎてて、びっくりされてしまうこともあるかもしれないくらいですね。

しかし、まだ和式のトイレのところもありますので、どっちを向いて座ったら良いかなど案内してあげましょう。

そして、重要なのは、備え付けのトイレットペーパーを流してもらうことです。海外の多くの国では、トイレが詰まりやすく、トイレットペーパーはゴミ箱に捨てることが多いのですね。

日本でのゴミの分別の仕方

プラスティックの使用量を減らそうという取り組みは世界中で行われていますが、まだまだゴミをきちんと分別して捨てるという習慣のない国もあります。

公共の場所でのごみ箱は、基本的に一般ゴミ、ペットボトル、缶びんに分かれており、それぞれの場所に捨てるように案内してあげましょう。ホテルなどによっては、一般ゴミとプラスティックのゴミ箱が別々にある場所もあるので、注意が必要ですね。

日本のチップ事情について

海外では、受けたサービスに対してチップを渡すのが一般的な国が多くあります。
そのため、日本に来た際はどんな場面でチップを渡すべきか迷われるかもしれません。

基本的には、日本はチップがいらない国だと伝えてあげましょう。
代わりに、ホテルや高級レストランでは予めサービス料が計上されていることもあります。

  • レストラン・・・机の上に千円札が置かれていたら、忘れたと思って追いかけてこられます。
  • ホテル・・・ベッドメイキングのチップは基本的にいりません。連泊の場合、置いて出掛けても、多分そのままになっているでしょう。
  • 旅館・・・部屋まで荷物を運んでもらったり、特別なサービスを受けた時は、心付けとして渡すこともあります。
  • タクシー・・・900円くらいの場合、千円を渡してお釣りはいりません、というのはありです。

しかしながら、必ずしもチップを渡してはいけないというわけではありません。
特に長いツアーでお世話になったドライバーさんやガイドさんには、ツアーの最後でチップを渡すのは問題ありません。
(自分から案内するのは難しいと思いますが、いただいた時はありがたくもらっておいて構わないと思います)

まとめ:外国人にこれだけ日本ならではのマナーを伝えておけば大丈夫

日本に来た外国人にあらかじめ伝えておきたい日本のマナー、いかがでしたでしょうか。

せっかく日本に来てくれたのだから、気持ちよく旅を楽しんでもらいたいですよね。

知らないが故にマナー違反となってしまっていることもあるかもしれません。
大抵の方は予めきちんと伝えておけば、日本の習慣に従ってくれるものだと思います。
『郷に入っては郷に従え』ですね。

これから、ますますグローバル化が進み、多くの外国人が日本を訪れる日がくるでしょう。お互い嫌な思いをしないで済むためにも、日本のマナーをきっちりと伝えていくことが、通訳ガイドにとっても大切なことだと思います。

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