通訳案内士の2次試験対策、どんなことをしたら良いかしら?
やっぱり、実際の練習あるのみかな。ガイドは話すのが仕事だから、まずは声を出してたくさん練習していこう!
通訳案内士の2次試験対策、どこからどうやって始めれば良いかと、あなたは悩んでいませんか?
1次試験と違い、2次試験はいよいよ面接官との会話になります。そうなると、知識をつけることも大切ですが、何と言っても、聞いて話すことが大切になってきますね。
私自身、どのように2次試験対策として何をすれば良いかと悩みましたが、結局は練習あるのみと考え、出来るだけ過去問を参考にしながら、英語を声に出してみることにしました。
日本語でガイドをする時もそうですが、最初は言いにくい言葉も、何度も言っていると、口が慣れてきて自然と話せるようになります。同じ内容の文でも、出来る限り何度も、繰り返し繰り返し読みこんでいくことが、上達への道かもしれません。
語学の勉強には、これが正解という方法はありませんので、あなた自身の勉強方法を確立出来れば良いのですが、最初は色々な人のやり方を真似てみて、自分に一番あった方法を取り入れていってみてはいかがでしょうか。
ところで、通訳問題で一番最初に引っかかるのは何だと思いますか?
英語の試験なら英語の語彙力?スピーキング力?文法力?いえ、一番最初の難関な部分は、日本語をきちんと聞き取ることなのです。
ここでは、私が2次試験の通訳問題の対策として行った練習を紹介します。まず最初は、メモを取りながら、聞いた日本語を正確に再現する練習を行ってみましょう。
通訳案内士試験に関するまとめ一覧はこちら
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通訳案内士の2次試験の通訳問題とは
2020年度現在の2次試験では、口述試験は
- プレゼンテーション
- 通訳問題
- 質疑応答
の順番で行われます。時間は、試験場に入ってから出るまで、トータル約10分です。
そのうち、2番目に行われる通訳問題の流れを、ここでは振り返ってみましょう。
通訳問題は、最初に日本人面接官から、「これから私が日本文を読み上げます。読み終わったらすぐに英語に訳してください。メモを取っても構いません。」という案内が日本語であります。
そして、日本語の読み上げが始まります。
2次試験の通訳問題をクリアするカギは
別の記事でも書きましたが、通訳問題を解くカギは、まずは元の日本語をいかにきちんと聞き取り、メモを取れるかだと、私は思います。
実際に行ってみると分かるのですが、たった3~4行程の日本語を、きちんと聞き取ることほど難しいことはありません。
私自身、2016年に初めて2次試験を受けた時は、この聞き取るということが上手く出来ず、通訳問題はボロボロでした。
その時の通訳問題です。
神社にお参りに行くと、最初に見えてくるのが「鳥居」です。「鳥居」は神聖な場所である神域への門です。語源は、「通り入る」がなまったという説や、日本最古の歴史書「古事記」に出てくる「鳥の止まり木」など、いくつか説があります。また造りや材質はさまざまで、地域や神社によって異なります。
出典:太宰府天満宮 神社の知っ得 『境内あれこれ』より
2行目まではなんとか聞いてメモ出来たものの、3行目で崩れてしまい、4行目にいたっては、ほぼメモは取れませんでした。
聞き取れていないし、メモも取れていないので、通訳も当然、3行目までが精一杯で、4行目は全く出来ていません。これだけの短い文なので、一瞬で覚えられると思ったのですが、意外とできないものでした。
そのため、2度目に2次試験を受けることになった際には、まずは、日本語を、きちんと聞き取る練習を何度もしました。
これは誰か文章を読み上げてくれる人がいれば一番良いのですが、自分ひとりで勉強しているとなかなか難しいですね。
そこで、音声を聞き取る練習問題をいくつか作成してみましたので、一度どのくらい聞き取れるか、メモを取りながら試してみてください。機械で読みあげているので、若干発音などがおかしいところもありますが、練習にはなると思うので、頑張って聞いてみてくださいね。
過去問の聞き取り練習
それでは、早速、聞き取り練習をしてみましょう。
最初は、先ほど例に出した、私が2016年に受けた試験問題です。
2016年度の課題①
いかがでしたでしょうか。
音声が、若干機械的で聞き取りににくいものの、上で、すでに文章を見られていたので、分かりやすかったのではないでしょうか。
実際のテストでは、試験官にもよりますが、もう少しゆっくり目に、話してくれるとは思います。
でも、練習の時はなるべく、早いスピードの音声でも、メモがきちんと取れるようになっておくと良いです。
テストの際は、どんなトピックが出されるか事前に案内はないので、ここでも、まずは音声だけを聞く練習をしてみましょう。
トピックは、過去の2次試験で出されたものと、なるべく近い文章を探してみました。
まずは、どのくらい、日本語を聞いてメモを取れるか試してみてください。
通訳テスト 聞き取り練習
通訳テスト①
通訳テスト②
通訳テスト③
通訳テスト④
通訳テスト⑤
さて、どのくらい聞き取れとれたでしょうか。
メモを見ながら、聞いた音声をそのまま、まずは日本語で書きだしてみてください。
下に、元の文章を載せていますので、どのくらいあっているか、チェックしてみてくださいね。
聞き取り練習の答え
通訳テスト①の答えです。平等院の庭園についての文章でした。
少し聞き取りにくい「希求した」の部分は、「求めた」に変更して音声を作成しています。
平等院庭園は、平安時代を代表する浄土庭園の様式です。鳳凰堂やそれを取り囲む阿字池、また宇治川や対岸の山々が一体となり形成され、当時の貴族たちが希求した極楽浄土の光景を再現しています。平安時代に完成した最古の浄土庭園であることから、国の史跡および名勝に指定されました。
出典:世界遺産平等院【公式ページ】 平等院を知る 「平等院庭園」
通訳テスト②の答えです。金閣寺についての文章ですね。元の文章は少し長かったので、音声では「3代将軍足利義満の死後、遺言により夢窓国師(むそうこくし)を開山として、臨済宗相国寺派の寺となります」の部分をカットしてます。
正式名は鹿苑寺ですが、舎利殿「金閣」があまりにも有名なため一般的に金閣寺と呼ばれています。鏡湖池に臨む三層の楼閣は二層・三層に金箔をはった室町期楼閣建築で北山文化を代表する建築物。3代将軍足利義満の死後、遺言により夢窓国師(むそうこくし)を開山として、臨済宗相国寺派の寺となります。1994年(平成6年)に「古都京都の文化財」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に 登録されています。
出典:京都Travel-Navi (金閣寺 鹿苑寺)
通訳テスト③の答えです。こちらは日本食についての案内でした。
健康的な食生活を支える栄養バランス 一汁三菜を基本とする食事スタイルは栄養バランスがとりやすいと言われています。また、だしの「うま味」や発酵食品を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿、肥満防止に役立っています。
出典:和食が日本文化である理由 – 農林水産省 — Google Arts & Culture
通訳テスト④の答えです。こちらも、同じ日本食でも、精進料理についての説明です。
精進料理は、和食の一つの分野ですが、仏教の影響を色濃く受けていることが大きな特徴です。「精進」は仏教用語で、美食を戒めて粗食をし、精神修養をするという意味をもちます。それゆえ、仏教の戒律に基づき、動物性の食品を使わず、野菜や穀物などの植物性の食品のみを使って調理されます。
出典:dressing 使っちゃいけない食材は?日本の伝統食「精進料理」について【代表的な精進料理は?どんな時に食べるの?】
通訳テスト⑤の答えです。居酒屋についての説明ですね。簡単な文章ではあるものの、他と比べて少し長文でしたので、最後までメモすることができたでしょうか。
日本の居酒屋が訪日外国人観光客から人気を集めている理由のひとつに、バラエティーに富んだ日本食を味わえるという点が挙げられます。欧米諸国のバーやパブでは、スナックやフィッシュアンドチップス、パイ、ハンバーガーなどワンプレートの簡単な食事は提供されるものの、豊富な選択肢のある本格的な料理は少ない傾向にあります。その点、日本の居酒屋は、本格的な料理とお酒両方が楽しめます。
出典:訪日ラボ なぜ日本の「居酒屋」が訪日外国人に人気なのか?「飲みながら食事」はめずらしかった!?
まとめ
ここでは、通訳案内士試験の2次、口述試験の通訳問題から、まずは、メモを取りながら、日本語の文章をどこまで正確に再現出来るか、の練習問題を作成してみました。
意外と、日本語を聞いて、メモに取るだけでも、難しいと感じた方が多かったのではないでしょうか。
このメモを取ることも、練習をすればするほど上手くなってきますので、可能であれば、まわりの人に協力してもらいながら、出来るだけたくさん、練習をこなすようにしましょう。
メモが上手に取れるようになったら、いよいよ通訳を行います。
その方法については、通訳の方法ー簡単な言葉を選んで訳そう:通訳案内士試験2次対策で書いていますので、こちらも参考にしてくださいね。
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