奈良の鹿は神の使い!?万葉集にも出てくる、鹿の意外な歴史! | いつかは素敵な通訳ガイド

奈良の鹿は神の使い!?万葉集にも出てくる、鹿の意外な歴史!

観光地&歴史の偉人
シルビー
シルビー

奈良の鹿ってすぐ近くで見れるし、可愛いよね!

ペッチー
ペッチー

うん、本当に人懐っこくて可愛いよね。奈良は世界的にも珍しく、すぐ近くで鹿と触れ合える場所だよ。

コロナの影響で、奈良の鹿にまで影響が出ているようですね。
観光客から鹿せんべいをもらうことが減って、一時はお腹を空かせた鹿が町の方まで出てきて、困ったことになっていたのだとか・・・

しかし、結果的に今は、序々に草など自然採食を行うようになり、野性の鹿本来の姿を取り戻してきているようです。
人間のエゴで、餌を与えるより、きちんとした栄養状態でいる方が本当は良いのかもしれませんね。

鹿せんべい、ちょうだい~

コロナの脅威にさらされる前は、海外からのお客様も多く、奈良の鹿は大人気でした。
大仏よりも鹿に会いに来たと言われる方もいらっしゃったくらいです。

そんな、奈良のシンボルともいえる奈良の鹿。
1957年には、国の天然記念物に選ばれています。

では、奈良の鹿はいつからいたのでしょうか。
また、どうして、奈良を代表するシンボルとなったのでしょうか。

ここでは、神の使いと言われる鹿について、その歴史を紹介いたします。

万葉集に登場する鹿

鹿が奈良にはるか昔からいたことは、万葉集からも分かります。

万葉集は、さまざまな身分の人達が詠んだ、約4,500首以上の歌が集められた全20巻の日本最古の和歌集です。
大友家持によって、783年に編成されたとされていますが、歌は7世紀後半から8世紀後半の約100年間に掛けて詠まれたものが集められました。

現在の年号、『令和』もこの万葉集の中から選ばれた文字ですね。

この万葉集の中にも、鹿は70回ほど登場しています。

たとえば、

「 秋萩の 散りの乱(まが)ひに 呼び立てて
   鳴くなる鹿の 声の遥けさ 」

「 わが岡に さ雄鹿来鳴く 初萩の
       花妻とひに 来鳴くさ雄鹿 」

「 夏野ゆく 牡鹿の角の 束の間も
       妹が心を 忘れて思へや 」

「 宵闇や 鹿に行きあふ 奈良の町 」

といった和歌などがあります。
今も変わらない、奈良の都らしい雰囲気を想像することが出来ますね。

ただ、万葉集の歌に詠まれた頃は、まだ野性の鹿で、神の使いといった言葉は出てきません。
鹿が神の使いとなる出来事が、この後起こるのです。

神の使いと言われるようになった伝説

奈良公園にいる鹿は、神様の使いと言われていますね。
いつから、なぜ、そう呼ばれるようになったのでしょうか。

それは、奈良に都が出来た頃でした。
それまで、現在の奈良県橿原市にあった藤原京から、現在の奈良市に710年に都は移され、平城京ができたのです。

春日大社への参道にも!

758年に東大寺の大仏殿が完成した後、次に出来たのが、春日大社でした。
元々、三笠山が神山として崇められていたのですが、767年に、その麓に神々を祀る御本殿を造営することにしたのです。

まずは三笠山の頂上に、主神となる武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が、茨城県にある鹿島神宮からお呼ばれになったのですが、その時に武甕槌命は白い鹿に乗ってやって来られたと言われています。

春日大社の灯篭にも鹿の彫刻が・・・

それから、鹿は神の使いと言われるようになったのですね。
このころ大変勢力のあったのが藤原氏なのですが、その藤原氏でさえ、神の使いである鹿と出会うと輿から降りて挨拶したんだそうです。

現在、訪日外国人の人達の中でも話題になっているのですが、奈良の鹿は実際人がお辞儀すると、お辞儀をかえしてくれるのですね。
奈良時代に人がお辞儀するのを真似て、それが習慣になったのだとか?!

興福寺の保護を受ける

以来、奈良の鹿は、神の使いとして、手厚い保護を受けることとなります。

その筆頭となったのが、大和の国の守護でもあった興福寺でした。
司法の力もあった興福寺の取り締まりの元で、鹿を傷つけると罪になり、殺害した場合はたとえ子供であっても処刑されるという大変厳しいものでした。

奈良の伝統的な町家に今も残る奈良格子も、実は鹿を傷つけないように工夫されたつくりとなっているのですね。

そのため人々は鹿に手を出すことは出来なかったのですが、可愛い半面鹿は大変凶暴でもあり、角で突撃されれば死傷することもありました。

意外と凶暴らしいのです

江戸時代になり、極端な刑罰はなくなったものの、鹿を保護する状態は変わらず、鹿からの被害を減らすために、現在まで続く「鹿の角伐り」が行われるようになったのです。

現在の奈良公園の鹿

現在は、奈良公園にいる鹿は、野性動物として暮らしています。
奈良公園全体で、大体1,000頭から1,200頭いると言われています。

野性とはいうものの、身ごもった雌鹿は鹿苑で保護されており、毎年200頭くらいの小鹿が生まれています。

朝になると、観光客の多い通りなどに出てくる鹿ですが、夕方になると20~30頭で固まって静かな場所に移動し、休んでいるようですね。

そろそろ寝床に帰りますか・・・

野性の鹿のため、普段は地面に生えている草や葉っぱを食べて過ごしています。
特に夏は、芝生をメインにしているようですね。

有名な鹿せんべいは、江戸時代からあったようですが、これは鹿にとってはあくまで、おやつということになります。

小麦粉や米ぬかなどを原材料として作られており、鹿が食べても健康上の問題がないようになっています。
鹿せんべいが巻かれている紙(愛護会の証紙)も、害がないように作られているので、食べてしまっても大丈夫です。

しかし、鹿せんべい以外の、人間のおやつを鹿にあげると、消化がうまく出来ず鹿の健康を損ねてしまいますので、絶対にやめましょう。

ちなみに、鹿せんべいを人間が食べても、特に害はないようですが、元々人間用に作られているわけではないので、食品衛生面から考えると食べない方が良いみたいですよ。
あまり美味しいものでもないみたいですしね。

まとめ

奈良の鹿について、いかがでしたでしょうか。

奈良では、長い間、神様の使いとして大切にされてきたのですね。

見た目はとっても可愛い鹿ですが、意外と凶暴なところもあり、そのため鹿と人間が共存して仲良く暮らすためには、色々な工夫も取られたきたようです。

奈良に行ったら是非、鹿もじっくり観察してみてくださいね!

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