添乗で海外には色々行ったけれど、中でも大好きなカンボジア!10回以上行ったことがあるけど、世界遺産のアンコールワットとアンコールトムは何回見ても凄いわよ!
そもそもアンコールワットとアンコールトムは何が違うの?
それでは今回はアンコールワットとアンコールトムの違いについて話すわね。
カンボジア・シェムリアップの観光のメインは遺跡巡り!数多くある遺跡の中でも、ツアーで必ず訪れる2つの遺跡がアンコールトムとアンコールワットです。
どちらも、2004年に世界遺産に登録された『アンコール遺跡群』の一部。
しかし、この2つは同じ遺跡でも全く違います。アンコールワットが寺院なのに対して、アンコールトムは1つの町です。
そもそも、アンコールには、『町』という意味があります。つまり、アンコール~は、~の町ということになります。ワットは『寺』、トムは『大きい』という意味があるので、それぞれ『寺の町』、『大きい町』という意味になります。
それでは、アンコールワットとアンコールトムの違いを見ていきましょう。
アンコールトムはアンコールワットよりも大きいの?
アンコールトムとアンコールワットの約4倍の大きさ
名前が示す通り、アンコールトムはとても大きいです。広い敷地の中に、複数の寺院や史跡が点在しています。周囲は3km四方、外周約12kmの城壁で囲まれていて、面積は、約9㎢です。
対してアンコールワットは、東西に約1,2km、南北に約1,5kmあり、面積は1.626㎢です。アンコールトムよりは小さいものの、宗教施設としては世界一の大きさなんだとか!東京ドームで言うと、約42個分くらいに価しますね。
アンコールトムとアンコールワットを含むアンコール遺跡群の総面積は約400㎢で、広大な土地の中に大小600の遺跡が残っています。
アンコールトムとアンコールワットの距離は4km
アンコールトムはアンコールワットから北へまっすぐ4km行ったところに位置しています。アンコールトムとアンコールワットの周辺には、他にもタ・プローム遺跡、プノン・バケン寺院、プラサット・クラヴァンといった有名な遺跡があります。
アンコールトムとアンコールワットの歴史的な違いは何?
アンコールワットはスーリヤヴァルマン2世の新しい寺院
アンコールワットは12世紀初頭、当時のクメール王であったスーリヤヴァルマン2世が30年以上の歳月をかけて建立したヒンドゥー教の寺院です。当時は、王が代わるごとに新しい寺院をたてる習慣がありり、アンコールワットはスーリヤヴァルマン2世が自らの葬祭殿とするために建造したと考えられています。一部は未完成のままで、13世紀後半に改修が行われました。
クメール王朝が滅びた後の16世紀には仏教寺院として改修され、ヨーロッパや日本にもその存在が知られるほどでしたが、首都がプノンペンに移ったことで、次第に荒廃し、18世紀末頃にはカンボジアの一部の人以外には忘れ去られる存在となっていました。
1860年にフランス人のアンリ・ムーオが地元民の案内によってアンコールワットを訪れ、彼の紀行文により世界にこの寺院のことが再認識されました。
アンコールトムは何世紀も掛けて増築が繰り返された町
アンコールワットがヒンドゥー教信仰だったのに対し、アンコールトムは仏教信仰に基づいて建設されています。
アンコールトムは11世紀の初め頃に建設が始まり、アンコール朝最盛期の王様ジャヤヴァルマン7世の時代となる12世紀末頃まで増築が繰り返されました。アンコールトムの中には、全盛期には約4万人が居住していたと考えられています。
アンコールトムとアンコールワットの建造物の違いは何?
アンコールトムは1つの大きな町
アンコールワットが1つの寺院であるのに対して、アンコールトムは庶民から王様までが暮らす1つの都で、高さ8mの城壁で囲まれた町の中には、数々の寺院や王宮が建ち並んでいました。
都の中心にあるバイヨン寺院の中には、観世音菩薩の顔が刻まれた四面仏塔が多くあります。仏教の神だけでなく、シヴァやヴィシュヌといったヒンドゥー教の神様の彫刻も見られます。仏の顔が微笑していることから”クメールの微笑み”と呼ばれ、頂上に蓮を持っているのが特徴で、その独自性から『バイヨン様式』とも言われています。
バイヨン寺院は中央祠堂を中心に第1~第3までの回廊があり、要所にレリーフが残されています。外側回廊の壁面には、チャンパ軍との戦いの様子が描かれたレリーフが残っています。アンコールワットの壁画が美しい宗教観によって描かれたものに対して、アンコールトムの壁画は当時の人々の生活の様子であったり、史実の1コマが多く見受けられます。
この違いは、治めていた王による見解の違いが大きく、ヒンドゥー教から仏教へと切り替わる節目でもあったことが伺えます。
緻密な計算の上に建設されたアンコールワット
アンコールワットは、緻密な計算の上に建てられた寺院です。例えば、入り口の西塔門。参道から塔門に進むと、立つ位置によって中央祠堂の見え方が変化して、参拝者を驚かせる仕掛けがもうけられています。
アンコールトムを含むアンコール遺跡のほとんどの寺院が東向きなのに対し、アンコールワットは正面が西側に向いています。これは、当時の技術者はが天体の動きを取り入れて、春分の日と秋分の日に中央塔の真上から朝日が昇るように設計したためです。
アンコールワットの特徴は、クメール建築の傑作といわれる美しく精巧な彫刻(レリーフ)です。アンコール・ワットは中央祠堂を中心に3重の回廊がめぐらされているのですが、一番外側の第一回廊には4面それぞれに美しい壁画が彫られています。ほかにも、アンコールワットには全部で2000体以上のデヴァター(女神)像が彫られていて見ごたえがあります。
また、クメール建築の特徴として、神の宮殿は岩やレンガを用いて造り、人間である王の宮殿は木で造るといった使い分けをしています。
まとめ
アンコールトムもアンコールワットもどちらも町ですが、アンコールワットが寺院なのに対してアンコールトムは庶民から王様までが住む1つの都です。アンコールワットも寺院としては世界でも最大級の大きさなのですが、アンコールトムはアンコールワットの4倍近くの大きさがあります。
歴史的に見ると、アンコールワットは王様が代わる度に建てられた寺院の1つであるのに対し、アンコールトムは庶民から王様までが住む都で長い時間を掛けて大きくなりました。
建築物もアンコールワットは緻密な計算の上に作られていて、とても美しいレリーフが残っています。
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