外国人のお客様を京都に案内するんだけれど、どこか素敵な場所に連れていってあげたいわ!
それなら伏見稲荷はどうかな?赤い鳥居が建ち並ぶ千本鳥居は外国人観光客にとっても人気でいつも写真撮影している人であふれかえっているよ!
日本の風物詩とも言える伏見稲荷!京都市伏見区にある神社で、千本鳥居で有名です。その印象的な赤い鳥居は、国内外から多くの人々を魅了しています。
特に外国人観光客にとって、この風景はまさに日本のポストカードに描かれているかのような光景!鳥居のトンネルをくぐりながら、神秘的で幻想的な雰囲気を楽しむ様子は、SNSでの写真や動画を通じて世界中に広がっています。約千五百もの赤い鳥居が参道を覆う美しいトンネルは日本の数々の有名な観光地の中でも忘れられない印象を残しているに違いありません。
この記事で伏見稲荷の基本的な情報とその愛される魅力の秘密、そして外国人観光客に案内すべきポイントを書いています。日本の伝統と現代が交わる伏見稲荷と千本稲荷の魅力をぜひ案内してくださいね!
伏見稲荷大社と千本鳥居の基本情報
京都・伏見稲荷大社とは
伏見稲荷大社は、平安時代初期の711年に興福寺の僧侶によって創建され、戦国時代や江戸時代を経て商人や企業からの寄進により繁栄しました。特に千本鳥居の景観が特徴的で、稲荷神の信仰により商売繁盛の守り神として崇められています。
歴史の試練にも遭遇しながらも再建され、今日では京都市伏見区に位置し、国内外から多くの参拝者が訪れ、その歴史と現代の賑わいを共に感じさせる存在となっています。
伏見稲荷に祀られている「五柱の神」は次のとおりです。田中大神と四大神は何の神様かはっきりとは分かっていないのですが、地の神様ではないかと言われています。
「五柱の神」とその祀られている場所
・宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)…五穀豊穣の神 下社(中央座)
・佐田彦大神(さたひこのおおかみ…みちひらきの大神 中社(北座)
・大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)…平安を守る女神 上社(南座)
・田中大神(たなかのおおかみ)…下社摂社(最北座)
・四大神(しのおおかみ…中社摂社(最南座)
伏見稲荷大社は全国約30,000のお稲荷さんの総本宮
伏見稲荷大社は、全国に約30,000あるお稲荷さんの総本宮です。全国各地のお稲荷さんは、伏見稲荷大社に対して奉納を行うことが一般的です。元々は稲荷信仰の原点は稲荷山で、御祭神である稲荷大神様が奈良時代にこの山に鎮座されたのが始まりと言われています。
千本鳥居は実際には何本の鳥居がある?
なぜ伏見稲荷にはこれほど多くの鳥居があるのでしょうか?
江戸時代に鳥居を奉納することによって,願いが「通る」という語呂合わせから生まれた信仰だとされており,願いが「通る」たびに,鳥居を大きなものに変えて奉納する風習もあったそう。 鳥居の数は,数え方にもよりますが,稲荷山全体で約1万基,そのうち千本鳥居には約800基といわれています。
伏見稲荷大社の魅力と特徴:外国人に人気の理由は
伏見稲荷大社は京都で外国人に人気の観光地トップ10に入る
伏見稲荷大社は京都で非常に人気のある観光地の一つで、多くのサイトの京都の人気観光地でトップ10にランクインにしています。例えば、高級ホテル・旅館予約サイト一休.comの京都の観光名所では現在1位となっています。また、トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 」では2019年まで6年連続で1位に選ばれています。
伏見稲荷大社が訪日外国人から人気を集める理由
伏見稲荷大社の数千もの赤い鳥居が続くトンネル状の参道はとても特徴的で、日本人にだけではなく外国人にとっても美しく写真映えする場所として人気があります。また、神社独特の雰囲気が神秘的でスピリチュアルな雰囲気が外国人には新鮮に感じられるようです。
また、伏見稲荷には京都の他の神社のように拝観料がいらないこと、参拝時間に制限がないことも魅力の1つかもしれません。
稲荷山では同時に自然も楽しめる
ツアーで訪れることが多いアジア系の観光客は時間の制限があることから、奥社奉拝所のおもかる石の辺りで引き返してしまうことが多いですが、じっくり1つの観光地を巡ることが多い欧米人の観光客は稲荷山の頂上まで行くことが多いです。稲荷山まではちょっとしたハイキング。京都の主な観光地の中でも自然を間近に感じられる数少ない場所です。
伏見稲荷大社の見どころと観光スポット
楼門・本殿など重要文化財指定の建造物
表参道の2つめの鳥居の抜けると楼門とその先に外拝殿(舞殿)、内拝殿、本殿が一直線に並んでいます。楼門は重厚な木造の建築で、赤い屋根が特徴です。門には豪華な彫刻や装飾が施されおり、そのデザインは独特で格式高いものとなっています。鮮やかな朱色の楼門は豊臣秀吉が母の病気治癒を祈って建てたもので、重要文化財に指定されています。
拝殿とは参拝するための社殿ですが、伏見稲荷には外拝殿と内拝殿があります。楼門を抜けるとすぐ前に見えるのが、外拝殿(舞殿)で祭礼などの行事が行われます。
神様のお使い狐の像
日本の伝承において、狐は知恵と神秘の象徴とされています。また、狐は変化の力を持ち、人間の姿に変身することができると信じられています。このような特徴を持つ狐ですが、伏見稲荷大社では豊作や商売繁盛などの神様である稲荷大明神の使いとされ、神社の守護者として崇拝されています。
そのため、通常の神社では狛犬が飾られていますが、伏見稲荷では代わりに宝物を持った狐の像があちこちに置かれています。楼門の前には鍵を咥えた立派な狐の2体の像がありますし、また、絵馬にも狐が描かれています。
伏見稲荷大社の千本鳥居はインスタで人気に!
本殿の左側から裏へまわると、稲荷山へと続く参道があるのですが、ここから赤い鳥居が続きます。入口から奥社奉拝所までの鳥居を千本鳥居と云い、ここが観光のハイライトとして人気を集めています。特に入口付近と鳥居が二手に分かれる箇所は人気が高く、いつも多くの写真を撮る人であふれています。
伏見稲荷の千本鳥居はハリウッド映画で使用されたことで世界に知られることとなりましたが、今では多くの人がインスタで紹介しているので更に人気が上がりつつあります。
この場所に鳥居を奉納することが始まったのは江戸時代から。ちなみに鳥居は企業だけではなく、個人でも奉納することが可能です。料金は30万円(5号)から189万円(10号)<2023年10月現在>。もちろん外国人でも奉納が可能なので、アルファベットの名前も増えてきましたね。希望する外国人があいれば伏見稲荷の社務所(管理課)まで問い合わせましょう。稲荷山神蹟の各茶店でも取り扱いをしています。
奥社奉拝所の「おもかる石」「きつね絵馬」
千本鳥居をぬけたところにあるのが奥社奉拝所で、一般には「奥院」の名で知られています。多くの人はここで引き返すのですが、奥社奉拝所は御山全体を拝む場所で、稲荷山三ケ峰はちょうどこの社殿の後ろに位置しています。
社殿の右側後ろにあるのが石灯篭の「おもかる石」。ここで願いごとをしてから石灯篭の頭を持ち上げるのですが、石の重さが想像していたより軽ければ願いが叶い、重ければ叶わないと言われています。
また、奥社奉拝所にはキツネの顔を形にした絵馬があります。顔は自由に描けるようになっているので、好きな狐の絵と願いを書いて奉納してくださいね。たくさんの絵馬が並んでいる姿も圧巻です!
伏見稲荷大社の「お山めぐり」に挑戦
時間があれば是非、お山めぐりもしてみたいもの。稲荷山は標高233mあり、頂上までの道には多くのお塚が祀られています。山全体がパワースポットとされており全長は約4km。歩くスピードにもよりますが、少なくとも片道1時間、往復で2時間みておいた方が良さそうです。ゆっくり写真を撮りながら進むならもう少し余裕がみておきましょう。
山頂までは整備された山道や階段を上っていくのですが、やはり後半はきつくなりちょっとしたハイキングのようになります。頂上までの途中で、四ツ辻という場所がありますがここが展望スポット!京都市南部が見渡せて、いよいよ登ってきたという実感が湧いてくる場所です。
まとめ:大人気の伏見稲荷の案内するべき場所を抑えておこう!
この記事では、人気のある伏見稲荷大社を訪れた外国人旅行者が千本鳥居の魅力だけではなく、伏見稲荷大社をより深く理解し、その神秘的な雰囲気や歴史に触れるための情報について書いています。
私自身、初めての通訳ガイドの仕事で伏見稲荷にお客様を案内したのですが、その時は知識が足らず満足いくガイドが出来なかったので更に詳しいことを調べてみました。赤い鳥居の前で写真を撮ることはもちろん伏見稲荷大社を訪れる1つの目的ですが、せっかく行ったなら稲荷神社についてのことをもっと話してあげれば日本へのより良い理解が深まったのかと思っています。
おもかる石で願いが叶うか試してみたり、境内の狐の像を探してみたりするのも楽しいですね。伏見稲荷大社に行かれた時はぜひご案内をしてみてください!
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