デルフトでフェルメールを学ぶ!美術館が教える名画の技法【世界旅行記】 - ぱんだららの旅と節約と通訳ガイドを目指すブログ

デルフトでフェルメールを学ぶ!美術館が教える名画の技法【世界旅行記】

フェルメール世界旅行記
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ペッチー
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オランダでアムステルダム以外に行った方が良いおススメの都市はどこかな?

シルビー
シルビー

絵画が好きならデルフトの町を訪れてみるのはどうかしら?「真珠の耳飾りの少女」でも有名なフェルメールが生まれ育った町なのよ!

オランダのデルフトの町は、まるでフェルメールの絵画一場面のよう。デルフトはフェルメールの故郷で、町の中全体が美術館のようで遠い日の風景を今に伝えています。フェルメールの特徴的な光と影の技法、彼独特の絵画の世界がどのように生まれたのか、気になりますよね?

この記事では、デルフトの町の観光と共に、フェルメールの足跡を辿る素敵な観光地をご紹介します。フェルメール・センター・デルフトでは、美術館ならではの解説があり、フェルメールの画家としてのキャリアや生涯がどのように環境に影響されたのか、そして美しい絵画たちがどのようにして生まれたのかが明らかになります。

また、「デルフトの眺望」の解説と、その実際の描かれた場所への訪問を通じて、フェルメールの作品が今も我々に伝えるメッセージを探ります。オランダを訪れる際はぜひデルフトまで足を伸ばしてフェルメールが生きた町を観光してくださいね!

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デルフトでフェルメールの足跡を辿る旅

「真珠の耳飾りの少女」は有名よね

フェルメールってどんな人?

ヨハネス・フェルメール(1632-1675)の生涯についてはあまり知られていません。彼の最も有名な作品は「真珠の耳飾りの少女」と「デルフトの眺め」です。

フェルメールは一生をデルフトで過ごし、彼の全作品もここで描かれました。1675年に彼が亡くなった後、彼の絵は世界中の一流美術館に散逸しましたが、デルフトには1枚も残っていません。

スキポール空港からフェルメールの故郷デルフトへ

ツアーの場合はバスで移動となりますが、個人でデルフトを訪れる場合は列車に乗っていくことができます。スキポール空港内にある鉄道駅から、まずはアムステルダム中央駅まで直通の電車に乗ります。

アムステルダム中央駅からはデルフト行きの直通列車が出ていて約1時間で到着できます。新しい駅は、歴史地区の古い建物と素晴らしいコントラストを成すとっても近代的な造り。駅から運河を渡ると美しい橋がかかっており、そこからトラムの線路を渡って旧市街に入ることができます。

新しく近代的なデルフトの駅!2015年にリニューアルオープンしました。

デルフト駅から市内中心部や観光地へのアクセスは徒歩や公共交通機関を利用できます。駅から旧市街まではほんの数ブロック。更に北に進むと、中央市場広場の方向へ歩いていけますよ。

フェルメールゆかりのデルフトのおすすめ観光地

デルフトの町の見どころを抑えておきましょう。小さな町なので徒歩で周ることができますよ!

町の真ん中に運河が流れる可愛い町です

プリンセンホフ美術館…フェルメールと同時代の画家たちの生涯を知ることができます。元々は修道院として使われていた場所でデルフトの中心街にあります。オランダ独立戦争で活躍したオランダ王国の建国の父オラニエ公ウィレム1世が拠点としていた場所ですが、暗殺された歴史的な場所でもあります。お庭も綺麗ですよ。

デルフト旧教会…フェルメールが埋葬されている場所です。ここには、1675年12月にフェルメールが43歳で亡くなったことが記された記念碑があります。

デルフトの旧教会

デルフトの中心街…おとぎ話のような運河に沿って素敵なショッピングを楽しむことができます。有名なショッピングエリアであるDe VesteやZuidpoortだけでなく、その周辺の通りにも話題のスポットや流行のブティック、専門店がたくさんあります。

デルフト市庁舎

デルフトの中央広場…新しい教会と市庁舎があり、ショップやレストランが立ち並んでいます。市庁舎の塔はデルフト最古の建物で、17世紀に新市庁舎が建てられました。今でも役所があり、結婚式も行われます。市庁舎の裏にはバターの家があり、今はレストランになっています。マーケット広場では観光客向けの店があり、親しみやすい雰囲気でビールも楽しめます。デルフト出身のフーゴー・グロティウスは、国際法の基礎を築いた重要な人物で、彼の銅像も見どころの一つです。

デルフトのショップ・デルフトブルーと呼ばれる陶器!ミッフィーちゃんだ♪

フェルメール・センター・デルフト(Vermeer Centrum Delft)

フェルメール・センター・デルフトの入口。ギルトって書いてありますね!

フェルメール・センター・デルフトの詳細

フェルメール・センター・デルフトは2007年にオープンし、すべてボランティアによって運営されています。センターは年中無休で、団体向けのツアーもあり、建物は車椅子でも利用できます。個人の来館者用にはセンターの全室を案内する無料のオーディオ・ツアーがあるので是非利用しましょう。

フェルメール・センター・デルフトは、かつてクリエイティブな人々が集まり、ブックメーカーや書店、陶芸家、画家が芸術について議論し、ビジネスを促進したシント・ルーカス・ギルドの本拠地でもあります。フェルメール自身も会長を務めていたことがあり、彼のアトリエの様子も道具や絵筆のコピーで再現されています。

Vermeer Centrum Delft https://www.vermeerdelft.nl/en

開館時間:10:00~17:00 (年中無休)

入館料:大人 12€、 子供 6€、 11歳以下 無料 (オーディオ付)

アドレス:Voldersgracht 21 2611 EV Delft

原寸大のレプリカが展示されています

画家としてのキャリアや関わった人々、環境が分かる展示

フェルメール・センター・デルフトでは、ヨハネス・フェルメールの絵画37点が展示されています。本物のフェルメールはありませんが、ヨハネス・フェルメールが描いた37点の絵画をすべて原寸大で見ることができる世界で唯一の場所です。そのため、来館者はフェルメールの作品とその発展の全体像を知ることができます。フロアには、フェルメールが絵画を制作した年代が表示されています。

37点すべての絵の解説がされているので分かりやすい!

フェルメールの技法や絵画の秘密を解説するための装置

常設展示では、フェルメールが生きた時代と、彼が制作したアトリエについての情報を提供しています。フェルメールの色彩、光、遠近法へのこだわりも紹介されています。来館者は自分でカメラ・オブスクラ(暗箱カメラ)を試すことができ、この装置を通じて、彼の独自の技術や光の使い方について学ぶことができます。

「手紙を書く婦人と召使い」
絵の中に入っちゃった!光の使い方が分かります

また、幅12メートルのスクリーンでは、フェルメールとデルフトの街との関係を紹介する映画も上映されています。2階では、「フェルメールの愛のメッセージ」展が開催され、ヨハネス・フェルメールが絵画に込めたシンボリズムを探求しています。来館者はここで、17世紀の画家たちが何を伝えたかったのかを知ることができます。

フェルメールの作品「デルフトの眺望」の解説と描かれた場所

フェルメールの作品のいったい何がすごいの?

フェルメールは「光の巨匠」と呼ばれ、絵に立体感や奥行きを与えるのが得意です。フェルメールの絵はリアルでありながら独自のアイデアも感じることができます。

静かで感動的な瞬間を描き、青色の使い方が特徴的。絵の中の細かい部分まで注意深く描かれ、観る人に深い感銘を与えています。絵には不思議と考えさせられる要素があり、見る人それぞれが楽しめるのが魅力の1つです。

フェルメールの作品解説「デルフトの眺望」

フェルメールの作品はほとんどが肖像画ですが、2つだけ風景画が描かれていてそのひとつが「デルフトの眺望」です。フェルメールの傑作として知られているこの作品は、南から見たデルフトの素晴らしい町並みを描いています。

1696年のディシウスのフェルメール21点のオークションでは、最も高額な200ギルダーがつき、これがフェルメールの再評価のきっかけとなりました。19世紀半ば、フランスの批評家テオフィル・ソレによって再発見され、賞賛された作品です。現在はマウリッツハイス美術館に所蔵されていえます。

画面は岸壁、水面、町、空の4つの横長の帯に分かれています。岸壁の左側には母親と赤ん坊、おしゃれな服装の男女2人が仲良く話しており、中央には2人の女性が描かれています。水はシー川の一部で、ロッテルダム近郊のシーダムでライン川に注ぐ地点を表しています。

フェルメールが描いた川の部分は、1614年に川幅が広がり、デルフトの港となる三角形のプールが形成されました。町の方を見ると、城壁とシーダム門とロッテルダム門があります。遠くの旧教会の塔は、写真左の水平線上にわずかに見えるだけです。シーダム門の小さな時計は7時過ぎを示しています。

日の当たる新教会を除いて、町の大部分は影に包まれています。ドラマチックな朝の空が写真の半分以上を占めていて、光と影の相互作用、印象的な曇り空、水面に映る微妙な反射が、この絵を絶対的な傑作にしています。

「デルフトの眺望」が描かれたというスポット

現在のデルフト

高台から水辺を見下ろし、フェルメールはおそらく現代の地図にも記されている「フーイカーデ」と呼ばれる道路からすぐの家の上階から町を描いたのかもしれません。フェルメールは点描画の技法を使って水面から反射する光の明滅を表現しており、右側の2隻のニシン船にその特徴がよく見られます。

現在、フェルメールの視点からの眺めは、古い港の形は残っているものの、まったく違って見えます。町の城壁はとうの昔に失われ、2つの門は1834年から1836年にかけて取り壊されました。川の付近の中世の建物もほとんどが失われ、新教会の尖塔は1872年に焼失し、より高いネオ・ゴシック様式のものに建て替えられています。旧教会のオリジナルの塔ははっきりと分かる傾きがあるものの現存しています。

まとめ

デルフトの静かな町並みで繰り広げられる、フェルメールの魅力に満ちた旅。美術館や観光地を訪れることで、フェルメールの足跡や作品に触れ、芸術の奥深さを感じることができました。スキポール空港からの旅路も、風光明媚な景色とともに、心に残るひとときとなりました。

特に、「フェルメール・センター・デルフト」では、フェルメールのキャリアや環境が作品に与えた影響を学び、フェルメールの技法や絵画の秘密を知ることができました。美術館での見学や解説装置を通じて、フェルメールの芸術の深みを理解できた気がします。

フェルメールが生きた場所、デルフトをモデルにした「デルフトの眺望」。実際に絵が描かれた場所に行くと時代を経て建物などは変わっているとはいえ、フェルメールの作品に込められたメッセージを感じることができますよ。

デルフトでのフェルメールの旅は心に残るものとなります。美しい風景と芸術の融合、そしてフェルメールの世界に触れることで、日常の喧騒から離れ、心が豊かになることでしょう。ぜひ、デルフトへの旅を通じて芸術の新たな魅力に出会ってください!

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