語学留学をすることに決めたのですが、英語を早く上達したいので日本人があまりいない学校を選んだ方が良いですか?
確かにあまりに日本人が多い学校だと、どうしても普段の生活で日本語を使ってしまうので英語力は伸びないのよね。とは言え、日本人がたった一人という状況も初めての留学なら辛いもの。バランスが必要よ。
留学先を選ぶ際、「せっかく英語を学びに行くんだから日本人が少ない学校が良いのかな?」と悩むことは多いですよね。しかし、留学先に日本人が多い、または少ないことが必ずしも英語力向上に直結するわけではありません。
留学先選びにおいて考慮すべきポイントを、3つの学校に留学経験のある私が、実体験に基づいてお伝えします。
・語学学校/大学1・2年 (3年間)…語学学校は半分くらい日本人・生活のほとんども日本語
・大学3・4年(2年間)…日本人は自分以外0人!アジア人もほぼいない
・大学院(2年間)…同じ学部に日本人はもう1人だけ。生活では日本人の友達多め
留学先の日本人比率とその影響
私は留学先で様々な環境を経験しました。語学学校では日本人が多く、日常生活のほとんどを日本語で過ごしました。しかし、大学に進学してからは日本人がほとんどおらず、日常生活はほぼ英語のみ。それぞれにメリットとデメリットがありましたが、重要なのはどの環境でも積極的に英語を使う機会を作ることです。
そもそもなのですが、留学先に日本人が多いかどうかは分かるものなのでしょうか。学校によっては留学生の割合を発表しているところもあるので日本人留学生の数を調べる事は可能です。
例えば、コロンビア大学では、留学生の数の統計を発表しています。2022年の秋のセメスターに参加した日本人の数は199人(大学:24人 大学院:164 それ以外:11人)ということがコロンビア大学が発表している表から分かりますね。
ただ大学のサイトを調べなくても、留学エージェントに聞けば大体の日本人の数は調べてもらえます。また、語学学校の場合、紹介する学校の情報として日本人留学生のおおまかな数字を載せている留学エージェントも多いですね。
留学先に日本人がいる場合の付き合い方
それでは、実際のところ、留学先には日本人が少ないところを選んだ方が良いのでしょうか。その答えは「はい」であり、「いいえ」です。日本人が留学先にいるいろいろなケースを考えてみましょう。
留学先に日本人が多いと日本語で話してしまう
日本人同士だとつい日本語で話してしまうから勉強にならないと心配しているのではないでしょうか?はい、それは間違いありません。語学学校のクラスの中では日本語禁止ということもありますが、一歩学校から外に出ると、日本人同士だとどうしても日本語を話してしまいます。
それは、日本で話す方が楽だからという理由以外にも、なんとなく日本人の前で完璧でない英語で話すのが恥ずかしいといった気持ちも働いてしまうからです。特に留学したばかりで英語がまだ話せない時はそうなってしまいます。
こればかりはどうしようもないですね。私は大学院の時に、インターンをしたことがありますが、その時でも同じインターンの日本人とは日本語でつい話してしまっていました。
日本人だけの集まりで英語を話すというのは相当な覚悟がないと難しそうです。
留学先に日本人が多くて生活のすべてが日本語だと英語の上達は難しい
私が最初に語学留学した学校では、クラスメートの半分以上が日本人、ルームメイトも日本人、そして、留学プログラムに参加して来ていたので仲間もほとんど日本人で、結局学校で授業を受けている時以外はほぼ日本語を話している状態でした。
もちろん、日常生活の中で買い物に行ったりすると英語ですし、日本人のクラスメート以外とも話すことはありましたが、同じ語学学校に通う留学生同士では話すのもゆっくりで、ほとんど困ることもなく、確かにこれだと日本で英語の学校に行っているのとあまり変わらない状況でした。
大学へ入学してからも、クラスメートに日本人が多かったために、一緒に勉強する時も日本語で話してしまっていました。そうすると、やはり英語力、特に聞く・話す力はあまり伸びません。学校でも生活の中でも日本人としかつるまない、という環境はさすがに避けた方が良さそうですね。
留学先に日本人が1人もいない場合
日本人があまりいない環境で英語を勉強した方が良いかもと考えた私は、大学3年の時に別の大学へ編入しました。その時に通ったのは、マサチューセッツ州にある田舎のカレッジでしたが、そこには日本人が一人もいませんでした。それどころか、アジアからの留学生もほとんどおらず、周りにいたのは、現地で育ったアメリカ人ばかりでした。
日本語を全く話さないと英語力は伸びるの?
では、日本語を全く話さなければ英語力は伸びるのでしょうか。私はそうとは言い切れないと思います。
日本人が一人もいないという英語を学ぶには素晴らしい環境に移った私でしたが、だからと言って日本人がいる環境より英語力が伸びたかと言えば、それは我ながら疑問です。
元々、私は社交的な方ではありますが、自分だけがきちんと話せないという状況にすっかりおびえてしまいました。この時点で、すでに留学して3年は経っていたのですが、ネイティブと同じレベルで話すにはまだほど遠く、言葉が話せないだけで段々と自分に自信を無くしていってしまいました。
1対1での会話ならまだしも、話している英語がおかしいかと思われないか不安で、また何度も聞き返すのが申し訳なくもあり、大勢の中では黙ってしまう存在でした。心の中で何度日本語だったら!と思ったことか分かりません。
クラスもディベート形式が多かったのですが、なかなか仲間に入れず苦労しました。英語力が全く伸びなかったというわけでは決してありませんが、劇的に伸びたということもありませんでした。
時には日本語で話してストレス発散も必要
また、勉強は大切ですが、時には友達と何気ないことをずっと話していたい時もありますよね。それが英語だとなかなか上手く出来なくて、ストレス発散のための会話が反対にストレスになってしまうこともありました。
私が留学していたころは、今のようにテレビ電話もなく、スマホもラインもなかった上に、国際電話を掛けるととんでもなく高額で、日本語を全く話すことができない状態だったので余計にかもしれませんが、時には思いっきり自分の言いたいことを言える環境であった方が勉強自体が辛くならないとは思います。
留学先に日本人が数名いる学校に通った場合
日本に帰国して1年後に、今度は大学院に行くことに決めたのですが、その時は全く日本人がいない学校はやめておこうと考えました。そこでアジア人が多めの学校を選んで願書を出して受かった大学に決めたのです。
1日に1回日本語を話すか話さないくらいの環境
入学して最初の1年は寮に住みましたが、なぜかラッキーな事に2人部屋に1人で住むことが出来ました。部屋の近くのアメリカ人の子と仲良くなって、部屋で話したりカフェテリアに一緒に行って過ごすことが多く、英語で話す割合の方が多かったです。
私は大学院だったので学部内にも日本人はあと1人しかいませんでしたが、学部の方へは留学している日本人が多く、日本人会に入ったり交流することも多かったです。また、ホームステイをしている日本人の友達とは良く長電話していました。
2年目はアパートへ引っ越してマレーシアからのルームメイトと一緒に住むようになったので、学校でも家でも英語での会話がほとんどでしたが、時々日本人の友達と話すこともあったので、ストレスを感じる事はなかったです。
日本人は留学先にいる方が良いが、時々話すくらいの環境が良い
こうして今、過去の自分がいた留学先の環境を振り返ってみると、一番英語の勉強も出来て、ストレスも感じなかったは、やはり日本人が適度にいる学校であったと思います。
もちろん、人によって捉え方は違いますし、日本語を話す相手が全くいない環境でも平気な人はいるかもしれません。また、今はテレビ電話などもあるので、日本ともすぐコンタクトを取れるので、周りに日本人がいなくても問題ないかもしれません。
ただ、私は、やはり留学先の海外で不安になってしまうこともあるので、そんな時に励まし合える同郷の仲間が何人かでもいるのは心強いなと思います。そして、きっと日本に帰国した後も交流を続けることが出来るに違いないので、何人かの日本人の友達がいるに越したことはないのではないでしょうか。
留学先での日本人との付き合い方に正解はありません。重要なのは、自分の目的に合ったバランスを見つけ、英語学習と精神的な健康を両立させることです。英語を積極的に使いつつ、時には日本語でリラックスする時間も必要です。日本人との適度な交流は、ホームシックを和らげ、留学生活をより楽しむことにつながります。
留学先に日本人が何人かいればストレスなく勉強に励める
学校選びの際に、日本人がどのくらいいる学校を選べば良いのか参考になったでしょうか。
留学するということは現地に暮らすということにもなるので、勉強をすることは当たり前ですが、自分自身が心地よい環境にいたいものですね。普段は一生懸命勉強するにしても、時には思いっきり話して発散することも必要だと思います。その時にやはり母国語で話せる相手がいるというのは本当に良いものです。
留学先での日本人との上手な付き合い方は、留学の成功に大きく関わります。日本人が多いか少ないかだけでなく、その環境でどう英語を学ぶか、そしてどうストレスを管理するかが重要です。
自分自身の留学目的を明確にし、最適な環境を選ぶことで、留学はより有意義なものになるでしょう。留学は自己発見と成長の旅です。英語能力だけでなく、人生の視野を広げる絶好の機会を最大限に活かしましょう。
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